自動車メーカーの生準業務をご紹介します

作業着
どうもヒロです。
 
みなさん、自動車メーカーに興味はありませんか?
私は大手自動車メーカーの生産技術をしています。かれこれ入社8年目です。

そもそも生産技術とは?

作業着の男性
生産技術とは、車を作るための準備をする仕事です。
 
今回は車を作る「設備」を工場に導入するまでの流れを説明したいと思います。
 
自動車メーカーの技術職は大きくは設計、生産技術、品質保証の3分野に分かれます。
 
そして、生産技術はその中からさらに、プレス、ボデー(溶接)、塗装、組立、検査に分けられます。
 
私はこの中で組立の生産技術を担当しています。

生産技術の仕事のステップ

仕事

ワークの確認

新しい車が入ってきます。1番いいのは、設備を全く改造しなくていいことです。
 
たとえば、車のボディーも部品も大した変化がなければ設備をそのまま使うことができます。
 
しかしながら、だいたいはモデルチェンジごとにがらっと衣装や部品が変更になります。
 
まずは、新しい車のワーク(ボディーや部品)がどれだけ変わっているのかを把握しなければいけません。
 
部品をつかんで運ぶ設備であれば、部品の外形や重量がどれだけ変わったかを把握しておかなければいけません。
 
また、締め付けの設備であれば、どれだけのトルクで締め付けなければいけないのかを確認する必要があります。
組立工場には大小様々な設備が数え切れないほどあります。
 
1つの新車が入るごとにチームを組みますが、だいたい10名ほどで全ての設備を改造しなければいけないのです

設備仕様を考える

ワークの確認が終われば、今の設備をどれだけ改造しなければいけないのかが分かります。
 
ロボットのハンドを改造しなければいけないのか、それともロボット自体を変更しなければいけないのかなどです。
 
設備仕様とは、設備を実際に新作したり、改造してもらうメーカーに提示する説明書のようなものです。
 
設備のどの部分をどのように変更するのかを紙にまとめます。

メーカーを決める

メーカーには得意、不得意があります。搬送する設備が得意なメーカーもあれば、ブレーキオイルなどの液物設備が得意なメーカーもあります。
 
だいたい、この設備はこのメーカーがやると決まっています。
 
本当は複数のメーカーから選んで、価格競争をさせないといけないのですが、現状はほぼ1社に決め打ちになっています。
 
メーカーは自分の会社に近い場所にある地場メーカーから、県外のメーカーまで様々です。
 
県外のメーカーは来るだけでお金がかかるので、最近は特に地場のメーカーを使う動きが活発になっています。
 
しかし、やはりメーカーの技術力が足らないので県外のメーカーを全て外すことはできていません。旅費と宿泊費だけで、かなりの見積もりになります。

見積もりをもらう

複数の企業から選ぶ場合は見積もり照会といって、それぞれのメーカーから見積もりを出して、1番安いメーカーに決めます。
 
また、最近はメーカーからの見積もりに対して、そのまま発注をするのではなく、生産技術の担当がその見積もりが妥当かどうかを査定します。
 
そして、見積もりがあまりに高いと判断した場合は、メーカーにもう1度見積もりを出してもらいます。
 
しかし、我々親会社は下請け法という法律を遵守しなければいけません。
要は下請けのメーカーに無理な値引きなどをすると法律違反になるのです。
 
とはいえ、明らかなぼったくりは会社の利益を圧迫するので、多少はメーカーと価格交渉をしなければいけないのも現状です。
 
生産技術の担当だけで価格が決まらなければ、調達の担当者にも入ってもらいます。

発注する

発注はさきほど作成した仕様書に価格を記載して社内の発注システムに登録をして、仕入先に送付します。
 
値段が安いものは部長レベル、価格の高いものは役員まで承認が必要になります。
 
やはり、仕事が忙しくなると、すぐに発注したくなります。
 
ここで、1番なやってはいけないのとこは「口頭発注」です。
口頭発注とは字の通り、口だけでメーカーに指示をすることです。
 
よくあるのは「発注は後でするから、先に作成していて下さい」とメーカーに指示することです。これはさきほど述べた下請け法の違反になります。
 
金銭トラブルの大元はこの口頭発注です。
 
しかし、実際に仕事をすると納期がどうしてもギリギリになり、きちんと発注する手間さえ惜しくなるのが生産技術の仕事なのです

仕様図を確認する

発注をすると、まずはメーカーから図面(仕様図)が送られてきます。
 
自分が書いた仕様書を実際にメーカーが図面に落としてくれるのです。
 
ここで、やっと設備の形ができてきます。自分達は出てきた仕様図が自分の仕様と間違いがないかを確認します。
 
一般的に設備は機械と電気に分かれます。どちらもできるスーパーマンはあまりいません。
 
なので、機械の図面が出てその約2週間後に電気の図面が届きます。
 
生産技術の担当は機械と電気の知識がないと勤まりません。私はどちらも半端な知識しかないので、とても苦労しています。
 
そして、この仕様図をもとに関係者で検討会を行います。
 
メーカーと生産技術はもちろんのこと、現場や保全部署が集まって、本当にこの図面で作っていいのかを確認するのです。
 
そして指摘事項は不具合チェックシートと呼ばれるシートにまとめられます。
 
仕様図検討会であげられた不具合をメーカーは修正して、生産技術に提出をします。

工事の調整

ここでやっと本番の工事と思いきや、工事をするための調整が必要となります。当たり前ですが、いきなり工事をしてトラブルでも起こそうなら大問題になります。
 
自動車メーカーは平日は車を生産しているので、工事はほとんどが土日になります。毎週工事をする担当者が集まって土日にする工事の内容を関係者と共有するのです。
 
また、工事をするにあたってラインに流れている車にキズ防止を現場にお願いしたりもします。

工事

工事は土日か大きな工事になればGWや年末年始を使って行います。工事では特に安全に対して数えきれないほどの決まりがあります。
 
工事をするにはメーカーから工事通知書をもらう必要があります。これは工事の内容が書かれた紙で、安全に対する注意点などをこちらから書いて指示しなければいけません。
 
工事が無事に終わると、その日に工事立会いを保全部署で行います。そこで終わりかと思いきや、月曜日の朝一にラインが正常に稼働するか立会いをしなければいけません。
 
朝6時には生産が始まるので、5時半には現場に出ていなければいけないのです。
 
もちろん、稼働立会いでトラブルになれば、トラブルが解消されるまで現場に張り付く必要があります。
私は朝から晩まで現場でトラブル対応をしていました。

生産技術はタフじゃないと勤まらない

車
生産技術はメーカーや保全部署など、多くの関係者とうまくコミュニケーションをとりながら仕事をしていく必要があります。
 
もちろん生産現場にも行くので、知力と体力がないと勤まりません。忙しくなると残業も増えますし、土日出勤も多くなります。
 
とにかく「タフ」なのはもちろんのこと、高い仕事力が必要なのです。
 
それでも、やはり自分が携わった設備が無事に稼働して、新しい車ができた時は嬉しいものです。
 
ぜひ自動車メーカーに興味がある方は工場見学に来てみてください。そこで、動いている設備を見るだけでも生産技術の凄さが分かると思いますよ。

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